先日は、発表会本番舞台を使用して大変貴重なレッスンの時間を過ごしました。
出演者全員、あのレッスンがあったからこそ気付くことが出来た危機感。
そうですね、、出演者だけでなく、それは私も全く同じことです。
「なんとかなるかな」ぼんやりと、そんな言葉で片付けてしまっていた部分も正直あったのですが、、、
なんとかなんてなりません。その現実を突きつけられた感じがします。
練習できていなかったり(主にドロップミス)、振付やフォーメーションが覚えられていない部分に対して、「なにやってるの!!!」と大きな声を出してしまう場面も多かったです。
しかし、冷静に考えれば
「いつもとは違う照明で、バトンがほとんど見えなかった」「いつもより大きい場所なので、移動導線もイメージが違っていた」「久しぶりに全員そろってフォーメーションに入ったので、勝手が違った」「練習は積んだのに、環境がミスを引き起こした」
数々の要因が確かにあります。
それを確認し、今後のレッスンで解消するための材料を見つける舞台レッスンですので、声を荒げたのは私の未熟な部分なのだと感じます。
また、振付やフォーメーションが覚えられていない、、という問題に対しても、全員がそうだったのではなく、中にはしっかりと練習をしてきているメンバーもいました。
そのメンバーに対して、頑張ってきたことを認めて、プラスの声掛けが出来ていれば、またもっと良くなったのかな、、とも。
指導というのは、本当に難しいです。
優しさと甘やかしをはき違えてはいけないと思うが故、また、「良い発表会にしたい」という自分の中でムクムク大きくなるイメージに、少しでも近付きたい、、その想いが、時に先走ってしまうのかもしれません。
頑張っているメンバーの「見えない部分の努力」をどれだけ私が感じられるかが大切ですね。
全ての出演メンバーに言いたい事ですが、努力している人の演技って、わかるんですよ。
例えスキル的に甘い部分があったり、ドロップミスがあったりしても、「前はここまで踊れなかったのに」「しっかり前を向いて踊れている」「ミスからの立ち直りがスムーズで安定感がある」
これが出来るのは、練習を積んだ人だけなんです。
簡単なロールオフであっても、なんとなく周りと合わせればいいや~と思っている人と、しっかり何度もその部分を練習してきた人とでは、パッと見た時の輝きが違うんですね。
練習を積んだ人は、堂々としていて、本当に輝いています。
それが入門レベルであっても、選手レベルであっても。
だから、練習をしてほしい。誰にも見られていないから練習しない、のではなくて、その逆なんです。
誰にも見られていなくても、自分のために練習を積むんですね。
見えないところで努力出来る人は、本当に強い人だと思います。
派手なパフォーマンスでもない、練習やってます!!アピールでもない、気持ちをしっかりと持ち、冷静にコツコツと積み上げられる人は、うまくなります。バトンは根気と継続のスポーツですから。
練習の後は、スタッフの先生や練習スケジュールを組んでくれるシニアメンバーさんと、反省会。
地元宇治にある、とてもおいしいお肉のお店です(#^.^#)
美味しいものをいただき、英気を養って。
問題点が明確になってきましたので、ここから先は決めたスケジュールをもとに、全員の「頑張る力」を何倍にもパワーアップして、5月5日まで走りぬきたいですね!!
暗くなるまで反省会、、頑張りました。
何かと偏りがちな私を、いつも中道に戻してくれるのがスタッフの先生やシニアメンバーさんです。
上に書いた「認めることの大切さ!!」も、シニアメンバーさんとのやり取りの中で、気付くことが出来ました。
スタッフの先生も、シニアメンバーさんも、私とは母と娘のような年齢差ですが、そういった若い人たちから刺激や気付きや喜びをもらえる今の立場、、なんて素晴らしいのでしょうか。
時間も不規則で、仕事には終わりが見えず(笑)、大変なこともありますが、つくづく幸せな仕事だなぁ、、と感じます。繋がる人が多い分、たくさんの喜びをもらうことができますから。
15周年の発表会。つまりは、私が独立してから15年。
あっと言う間ですね、、
今、発表会のプログラムあいさつ文を考えながら、ちょっと頭を整理したくてブログを書いているのですが、指導を始めた頃と今では、何もかも変わっている気がします。
(もちろん、自分では良くなっていると信じていますがww)
特に独立したての頃は、若さや世間知らずゆえの情熱!!みたいなものがあって、今よりもかなりスパルタだったと思います。
「センターに陣取って、大きな声で指示と叱責を飛ばしまくるコーチ」がかっこいい!なんて勘違いしている時期もあったなぁ、、今当時を振り返ると、本当に恥ずかしいのですが。
そんな私の考えを大きく変えたのは、一冊の本との出会いでした。
スラムダンク勝利学。
ご存知の方おられますか??
読むことになったきっかけはちょっと覚えていないのですが、なんせ、この本を読んだ時にものすごい衝撃を受けたんです。内容の全てが心に刺さって、何度も何度も読み返しました。
本の後半に「コーチの資質」という章があります。
そこを読んでいるとなんていうのか、心が震えるというか、、
今までの自分は、「スキルの指導」「他人からの評価」「金賞をとること」だけを大切にしていて、指導者が持つべき本質を完全に置き去りにしていたんだな、と気付かされたからなんですね。
筆者曰く「コーチとは人の成長を助け、向上をサポートすること」
こう一言でまとめてあると「その通りだ」で終わるのですが、この本ではさらにそこを深く掘り下げています。
コーチ
COACH
この言葉は
Comprehension(理解力)
Outlook(前途の見通し)
Affection(愛情)
Character(性格)
Humor(ユーモア)
の頭文字から来ていると言われています。
この本を読んでから、私の指導の軸が出来上がりました。
今は、その軸を大切に、一回一回の現場を通して、知識と経験の幅を広げている途中です。
具体的に言うと
【理解力】
メンバーを理解し、ひとり一人がどのような性格なのか、どれくらいの力を持っているのか、力を発揮できるのはどういった場面か、苦手なのはどういう部分か。それを可能な限り把握することを心掛けています。
【前途の見通し】
大会に照準を合わせ、メンバーの心技体を本番に合わせていくために、どのような練習スケジュールが適正か。今必要なのはなにか。どこを改善し、進んでいくべきか。体育館の調整も、イベントや大会スケジュールも、事務的に処理するのではなく、メンバーが最善の方法で練習できるように、、と考えながら行っています。
特に今のような発表会まであと〇〇日・・・!という状況だと、このOutlookがとても大切です。
【愛情】
これはもう、改めて書くまでもありませんが、私はメンバーひとり一人が大好きです(#^.^#)
愛おしく、大切な存在であり、常に愛情をもって向き合いたいと思っています。
【人間性】
私自身がどのような理念を持ち、バトンに向き合っているか。指導理念はどのようなものなのか。これを明確にし、軸をブラさないこと。そして何より、「メンバーは自分の鏡」であるということを常に意識すること。
私がルーズであれば、チームも自然とそうなるでしょうし、、
私が周りに礼儀を欠くような姿勢を取っていれば、メンバーもきっとそうなってしまう。
ゆるゆるダラダラと踊ってしまうメンバーがいるということは、私自身の見本がダラダラなのかもしれません。
その点は、年齢がね、、と言い訳をしたくもなるのですが(;^_^A
常に人と丁寧に接したり、感謝の気持ちを言葉と態度で示したり、フェニックスバトンチームに対しての責任感をきちんと持ち、実行していきたいと思っています。
それを見てくれているメンバーも、自然とそうなってくれると信じて。
【ユーモア】
これを一番大切にしているかもしれません(笑)
ミスを怒鳴ったり許さなかったり、厳しい課題を課すレッスンも一つの指導スタイルだと思いますが、辛いだけですよね。
私はユーモアセンスも大切にしたいと思いますし、辛いばかりでなく、バトンが楽しい!もっと練習したい!!という環境作りが理想です。
この本にも書いてあるのですが、スポーツに失敗は付き物なのに、その嫌な記憶が消えることはなかなかなくて、本番が来るたびに「失敗したらどうしよう」が付きまとう。
そういう時、ユーモアセンスのあるコーチからの「楽になれる一言」がポンとかかるとどうでしょう。
自分でもユーモアを思い出して思わずクスっと笑ってしまったり。
そんなリラックスしたモードになれるのも、日頃からユーモアにあふれ、楽しさが身近だからなんです。
筆者の辻秀一さんにハマり、この方が書いた本を片っ端から取り寄せて読み漁りました。
そしてどうしても直接お話が聞きたくて、京都府バトン協会で講演会をしていただくところまでこぎつけました(笑)素晴らしさを理事長先生にアピールし、他の先生方にもプレゼンしまくり、無事に講演会をすることが出来たんです。
好きになると一直線!は、この頃から??
もしかしたら、辻秀一さんが私の最初の推しなのかもしれません(#^.^#)
直筆のサイン!スラムダンク勝利学の見開きに書いていただいたものです。
これは保管用なので、常に読めるようにあと二冊家には在庫があります。
そして、その辻秀一さんが書いた本で、比較的新しいものがこちら
みなさん、「左利きのエレン」というマンガはご存知でしょうか。
天才になれなかった全ての人へ、というキャッチコピーがついていて、私はその時点でかなり惹かれました。
なぜかというと、私もバトン業界では「天才」でも「有名人」でもなく、「凡人」だというコンプレックスを常に抱えているからなんですね。
(敢えて現在進行形にしているのは、今でも時々そういうネガティブな波にのまれる時があるから)
才能はないけれど、デザイナーに憧れて情熱にあふれている光一と、天才・エレンについて書かれたマンガです。
2人の葛藤や、ライバルとしての関わり方、そしてそれぞれが進んでいく道、、
私はマンガを全部読んだわけではないのですが、辻秀一さんの本はもちろん読破しました。
見開きに書いてあった「自己肯定感よりも大切な、あなたらしさに気付くためのロールモデルを提示する。息苦しさに悩む全ての人にエールを送る一冊」
もう買うしかない(笑)
第二章「人は葛藤の中で生きている」
第四章「自分力を持って生きる」
書いてあること、全てが刺さりました。
才能か、努力か。
個人か、チームか。
ジェネラリストか、スペシャリストか。
普通か、特別か。
主役か、脇役か。
若さか、熟年か(笑)。
これら以外にも
自分にはないものをうらやましがったり、そもそも持つ力が違うのに勝手にライバル視してみたり、「こうでないとダメだ」と思いこんだり、思い通りにならない現実に苛立ったり、
この仕事に出会えて幸せだ!と前述したこととは矛盾しますが(苦笑)、、
葛藤の中で生きていた私ですが、この本を読んで、色々なことがストンと落ち着いたんですよね。
いわゆるポジティブシンカー(どんな時でも前向きに考えよう!!)で、無理に自分を奮い立たせていた時期もありましたが、それもやめました。
しんどい時はしんどいし。無理な時だってあるし。
そういう時は周りを見ると、助けてくれる人たちが必ずいるから、もっともっと頼ったらいいんだ・・・
そう思えるようになったのも、この本を読んだからかもしれません。
先生だからいつだって完璧で、ちゃんとしていないと!!そんな勝手な呪縛から解き放たれて、今は指導をしている時も、バトンのことを考えている時も、楽しい時間のほうが長いです。
よその先生みたいに、すごい技を見せてあげられるわけでもなく、勝手にそういう部分でネガティブになることも多かったのですが、人からどう見られるか、だけではないですし、技が出来ない分、私にしか出来ないことが絶対にある。そう気付いたんですね。
私にしか出来ないこと、、それは、ひとり一人に丁寧に向き合うこと、コミュニケーションをマメに取ること、歩みを止めず物事を継続すること、バトンの魅力を発信し続けること、人を大切にすること。
無理しているわけではなく、これが私の自然体なんです。
人目を気にして行動するのではなく、人に気を配って行動をする。
同じように思えて全く別のものです。
前者は相手が主体。後者は自分が主体。
こういった考えも、本を読んで得た学びなんですね。
今、発表会の練習を進めながら感じる一つの壁が、「コミュニケーション不足」
メンバー間も、それがあるのではないかなぁと感じます。
理由は「みんな自分のことで精一杯」これに尽きますね。
私も同じで・・・
自分のやることの多さに振り回されて、作品一つひとつに丁寧に向き合えていなかったこと、これがものすごく響いています。
自分らしさを何より大切にしながら
大切なもの、大切な場所、大切なメンバー、そのメンバーに繋がる大切なご家族のために、全ての人に気を配って行動・発信していきたいなと強く思います。
そしてメンバーにも、「まずは自分が楽しむこと!その域に至るまで練習を積むこと!そして、それと同時に人に気を配り行動すること」を忘れずにいてもらいたいです。