第32回バトントワーリング京都府大会〜学校団体編

第32回バトントワーリング京都府大会〜学校団体編

2024,9,15

山城総合運動公園太陽が丘にて

第32回バトントワーリング京都府大会が開催されました。

お世話になった関係各位に、この場をお借りしてお礼申し上げます!

 

 

運営に関わって、もう何年になるでしょうか・・・

指導歴がちょうど30年くらいなので・・・

すごい年月が流れていますね。

 

今回の京都府大会では、関係団体や指導に関わっている学校団体など、たくさんのチームが演技を披露しました。

 

 

結果が出たチームも、そうでなかったチームも、今回の経験を大切な財産として胸に刻んでほしいなと思います。

 

京都府大会について、というだけでも、記事が5本は書けそうですが(笑)

今回は学校団体のお話を。

 

 

 

京都府大会の大きな特徴の1つが、学校団体が多いことだと思います。

 

 

ずーっと京都で活動をしていると、これが普通なので気付きにくいのですが、他府県の大会を観覧に行くとよくわかるんですよね。

 

学校団体って、本当に少なくなってきています。

 

自身のバトンのスタートが学校団体だということもあり、自分のバトン人生からは「学校バトン」「部活としてのバトン」は切っても切り離せないのですが、年々難しさが勝ちますね。

 

 

特に指導している母校の場合は、何と言っても練習時間の確保の難しさと、様々な点で制限がかかる現実があるので、悩みが尽きることはありません。

 

週に2〜3回

一回の練習は1〜2時間という「超短時間部活」

その中で練習をする20人弱のチームと、40人弱のチーム、、

 

練習スケジュールを組む難しさ!!

 

 

幸い、母校に限っては、部活離れという言葉が全く当てはまりません。

これだけの部員が集まるというのは、本当にありがたいことですよね。

フロアに入場するだけで、その人数の多さに「おぉお、、」とどよめきが起こるというのは、なかなかないことです。

 

 

昔、全国大会を見に行った時に、フロアを埋め尽くす構成人数のチームを見たことがあります。

 

 

うわぁ、、すごい!まずはその感想がでてきたんですよね。その時の感覚と似ているかもしれません。

 

 

 

今、学校団体の指導に関わっていて一番思うことは「部活としてどこまで続けていけるのか」ということです。

 

 

 

バトン部に限らず、部活というシステムそのものが、この先どんな形で続いていくのか、まずそこが不透明。

 

 

先生の働き方改革や、生徒数減少、色々な理由もあり、部活動は間違いなく発展よりも縮小の方向に進んでいると思います。(あくまでも個人的意見です)

 

 

加えて・・・バトンは専門性の高い競技なので、そこでかなりハードルが上がるんですよね。

 

 

 

専門知識がなければ、指導することが難しい。見様見真似でなかなか出来ない。競技特性として、面積だけではなく、空間面積も必要になる。なのに屋外競技ではなく屋内競技(笑)、、

 

芸術的要素もあるけれど、今は競技性が高く求められて、スキルアップが必須。

 

 

チーム演技はたかが3分、されど3分

 

 

ソロになれば更に短い演技ですが、その演技を形にするためには、相当覚悟して、コツコツ練習を積むことが必要です。

 

 

演技を見れば一目瞭然ですが、ただバトン操作が出来れば良いのではなく、器械体操の要素や瞬発力・筋力・バランスが良くて強い体幹・動体視力・臨機応変な対応力、、ありとあらゆるスポーツ要素が詰め込まれています。

 

 

明らかにスポーツだ、と思うのですが、バトン部は「運動部」ではないんですよね。「文化部」のカテゴリーです。

演技を披露し、成績を競うのはインターハイではなく、高等学校総合文化祭。

 

 

 

芸術の側面とスポーツ競技としての側面

 

 

両方あるのがバトンの魅力ですが、両方のカテゴリーに同じチカラを注ぐのは、相当な努力がいりますね。

これはお稽古としてのスクールバトンも、部活動としての学校バトンも同じですが。

 

 

12歳でバトンを始めて、もう40年近く経ちますが(すごいですね・・・!)、一番変わったのは、学校バトンかなと思います。

 

私の現役時代は、朝は守衛さん並の早さで登校し、朝練昼練放課後練はもちろん、、10分休みでもバトンを回しに行くくらい、部活にどっぷりでした。

 

 

お弁当は10分休みに済ませて(笑)、昼休みはずーっとバトン。先生方も、クラスの友達も、みんなが呆れるくらい、バトンに夢中だったんですね。

 

夏の合宿もあり、日曜日は終日部活が当たり前。

学生時代のすべて、と言えるくらい。それくらい膨大な時間と労力を費やしたから、どんどんバトンが楽しくなって、またやりたくなって、、の繰り返しでここまで来ました。

 

 

 

でもそれが出来たのは、それが許される環境だったからなんですよね。

 

 

今は、母校に関していえば、、ですが、活動のほどんどに何らかの制限がかかっていますので、なかなか「バトンに夢中」になれないのです。

 

 

もちろん、無計画な制限ではなくて、全ては生徒たちの学校生活や学業面、健康面、安全面をしっかり守る!という大原則のもとなのですが、バトンとの関わりが少なくなればなるほど、興味関心は薄れていく現実をヒシヒシと感じています。

 

 

これはもう、時代の流れなのでしょうね。

 

 

昔が良くて今がダメ、ではなくて、こういった流れが主流になっていくのだろうと、感じています。いや、むしろ、ようやく来た時代でしょうか。

 

 

 

遅すぎるくらいかもしれませんね・・・

 

 

 

昔は気付きませんでしたが、学校の先生って、授業と部活の管理、それらの時間を充分に確保出来ないままに、プライベートを削ってくださっていたのだと思います。

 

 

当時はそれに疑問を感じたこともなく、それが当たり前だ!と思って過ごしていたので、先生に対する感謝の言葉も伝えていなかったかもしれません。後悔先に立たず・・・

 

部活の在り方が変わることで、少しずつでも学校現場は良くなっているのでしょうか。

 

 

そうであればいいなぁ、と思う反面、学生時代の部活から得られるもの、その素晴らしさもあるんだけどなぁ、、と、複雑な思いが消えることはありません。

 

 

超短い部活時間で、何を教えていけるのか。

 

 

その場で、技術を教えるだけならそれほど困難はなくても、大切なのはそこから先です。

 

振付を教えるのはもちろん、母校であればまず全員がフロアに集まれない(多すぎて)ので、学年ごとにわかれて練習したり、それを直前に合体させたり、そうするとフォーメーションを整えるのも一苦労だったり、、

 

 

その後も、意識を高く継続したり、目標を統一したり、何より能動的に動けるように導いたり。

 

 

正直、悩みは尽きません。

 

時間が無い時こそ基礎練習?体が緩いから体幹トレーニング?何よりもまず振付を揃えること?徹底的に技練に時間を割く?

 

優先順位は・・・?

考えない日はありません。

 

 

が。

私の中では、結局これが一番なんですね。

【部活動をすることで人間力を磨いてほしい】

 

 

話を聞く時は、人の目を見る。

聞かれたのなら、聞こえる声で返事をする。

決められたルールを守る。

それがどんなに些細なルールであっても、おろそかにしない。

学年やキャリア関係なく、仲間に敬意を払う。

道具を大切に扱う。

挨拶も返事も、元気よく大きな声を心がける。

チーム内での役割を認識し、チームのために努力する。

組織・立場を理解する。

まずは学業やクラスでの役割をしっかりと行い、それから部活に来る。あくまでも部活は学校生活の一部であると考える。第1優先ではない。

バトンができる環境に感謝をする。

アドバイスを素直に受け止める。

 

 

 

書き出したらキリがないのですが、こういったことを一番大切にしたいと思っています。

 

バトンの技ができるようになるよりも、金賞を取るよりも、大切なことです。

 

生徒たちにはあまり実感がないかもしれませんが、こういうことを大切にするチームは、演技にもそれが現れるんですよね。

 

 

あぁ、気持ちの良い挨拶をしてくれるな〜!と思うチームは、演技もハツラツとしていて気持ちがいいのです。

(その逆も然りで・・・)

 

京都府大会後、生徒たち(総勢50人超え!)に伝えたことは色々あるのですが、これだけは!覚えておいて損しないから、ぜひ身につけて。と言ったことがあります。

 

 

それはなにか??

 

 

【挨拶は自分からしましょう】

 

 

当たり前やろ〜、という声も聞こえそうですが、これが案外難しいんですよね。

 

 

でも、「能動的に動く」を身につける訓練としてとても有効なんです!!わかりやすいし、すぐに実行できるし、すぐに終わるし、何度もそういう場面を繰り返せるので、身につきやすい!!

 

人間力を磨くこと、部活でこういった経験を積み、苦労しながら注意されながらでも続けていくこと、これらは将来、社会に出た時に必ず、必ず、役に立つんですよね。

 

これがまさに、学校教育の中にある、部活の役割だと私自身は考えています。

 

5年と言わず、3年後くらいには、またガラッと部活の在り方が変わるかもしれませんが、いつまでも教育的な役割は大切に残ってほしいなぁ。

そんな願いを込めつつ。

 

 

次回はジュニアチーム編をお届けします!




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